亀岡市議会議員すだ議員Web 17.12議案反対討論
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平成17年12月上程議案に対する反対討論

(◆隅田盛和 議員)

 私は「第31号議案 亀岡市厚生会館に係る指定管理者の指定について」に関して反対の立場で討論をおこないます。市長を誰よりも支えたい私にとりまして、市長提出の議案に対して反対の討論をせねばならないことは、まさに断腸の思いであります。こういう事態に至ったことについて理事者はことの重大さを真剣に受け止めていただきたいと考えるものであります。

 地方議会は、憲法第93条において「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する」と規定されており、主要な事業や政策の基本となる問題は、議会の議決や同意等がいると共に、予算や条例についての最終的決定権を持つ機関となるわけであります。

 長と議会との関係は、互いに住民を直接代表する機関として並列対等の立場にあり、執行機関、議決機関と役割分担がされ、チェックアンドバランスにより緊張関係を保ちつつ、適切な行政運営をすることが求められているのであります。

 なぜこんな分かり切ったことを討論で持ち出してくるかといえば、それはこの認識が今回の議会に議決を求めてくる前提として、失礼ながら理事者がきちんと理解をしておるのか、疑問符が出たからにほかなりません。つまり、これほど初歩的な問題を考えなくてはならないほど、理事者に議会に対する緊張感が弛緩しているのではないかと感じられたからであります。

 市長は議会へ議決を求める案件について、議会が納得する内容でなければならないことはいうまでもありません。議員は議会に上程されて始めてその内容を知り、審議を始めるわけでありますから、その細部についてまで質疑をつくし疑問点を解消して、自らの責任において議決をするわけであります。

 議決を得るために市長は、議会を説得する資料を添付して議案を上程しなければならないことは当然であります。残念ながら今回はそれが不十分であった、議会を説得できる資料を示すことができなかったと言わざるを得ません。

 執行部は行政事務のスペシャリストであります。能力は十分にお持ちであり、繰り返される事務処理においては、十分評価に値できるものであります。しかし、社会の変化に対してその持てる能力を柔軟に適応し、発揮できているかという部分については不十分であると断じざるを得ません。それが今回の新しい制度導入において露呈されたと思うのであります。

 IT機器が導入され、行政事務処理の効率が図られる基盤はできております。しかしハード面がいくら整備されても、それを操作する職員の適応性、意識が従前のままでは何も変わらないし、市民の要望に応えることは難しいと考えます。むしろ、ハードを操作する負担が増えただけ、みたいなことになってしまっているのではないかと危惧をいたしております。

 市役所は市に関する行政事務のスペシャリストとして、市の主人公である市民の期待に応える努力を怠ってはなりません。社会が変化する、市民のニーズも変化する。それにあわせて行政サービスの需要も変化するのであります。市民が何を求めているか、それに応えるためにどういう方法をとったらいいのか、常にこのことを頭において仕事に当たってもらわないと、市民からの厳しい批判に晒されることになるのであります。

 指定管理者制度は、これまで公の施設の管理運営が、市の出資団体、自治会、社会福祉協議会などの公共的団体にしか委託することができない管理委託制度であったものが、民間の効果的・効率的な手法を公の施設にも活用することができるよう平成15年9月2日に地方自治法が改正され導入された制度であります。
 指定管理者制度の導入により、公の施設のサービス向上、住民ニーズへの効果的対応、公の施設管理の効率化・経費削減、民間の公共分野での事業機会の拡大がはかれることが期待されております。

 本市が平成17年3月29日に施行した「亀岡市公の施設の指定管理者の指定の手続等に関する条例」のなかで、第3条には、市長は、前条の規定による申請があったときは、次に掲げる事項を総合的に審査の上、当該公の施設の管理を行わせるのに最も適した法人等を候補者として選定し、議会の議決を経て指定管理者を指定するものとする、と規定されております。その内容については、
(1) 事業計画書の内容が、利用者の平等な利用の確保及びサービスの向上が図られるものであること。
(2) 事業計画書の内容が、当該公の施設の管理を効果的かつ効率的に行うことができ、管理に係る経費の縮減が図られるものであること。
(3) 事業計画書に沿った管理を安定して行う物的能力及び人的能力を有しているものであること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が特に認める要件
であります。

 この点、指定管理者の募集において、十分な広報が行われていたのか、また応募した企業、団体が本当に条例の趣旨を理解していたのか、上程議案を見、その説明を聞く限りにおいては、多くの疑問点が出てくるわけであります。

 選定委員会の構成についても不十分な点があると思うのであります。地方自治法の改正にともなって全国で導入された制度でありますので、他の自治体の選定委員会はどうなっているのかを見てみたいと思います。

 鳥取県の米子市の場合は、学識経験者を含む10人以内の委員で構成し、市民公募委員が2名入っております。岡山県倉敷市の場合は、市民環境局部会、保健福祉局部会、経済局部会、建設局教育委員会部会の4部会に分け、それぞれ公認会計士、建築設備士、利用者代表、学識経験者、市代表など5,6名をもって委員会を構成しております。このように多くの自治体では外部の目によるチェックが入る体制がとられております。

 本市の場合、選定委員の構成は、助役、担当部課長と企画管理部長となっておりまして内部だけであります。もし、外部から委員が入ったら、今回のような選定のされ方とならなかったかもしれませんし、常任委員会の審議において全会一致の否決などという無様な採決結果にならなかったと思うのであります。

 我々議会としても、条例制定のさいに、こんな事態になるとまで読み切れていなかった点は十分反省しなければなりません。今後については、条例に選定委員会の項目を追加して外部から委員を入れることを検討するか、現行でも外部委員を入れてもらうよう市長部局に求めるかしていかなくてはならないと考えるものであります。またあわせて、会議の公正さを担保するために、発言委員名、選定候補企業団体名などの個人情報、選定後は個人情報でなくなりますが、それらに配慮した議事録の公開も必要であります。

 今回の議案に対しては、決してシルバー人材センターが厚生会館の指定管理者として不適格であるとするものではありません。理事者の猛省を促す意味で、この議案が否決という結論になることについて、やむを得ないと考えるということなのであります。

 また、これを機会に公共施設運営のあり方、新たな公共のあり方について議会として広く市民に問題提起すると共に、市長にも「公」イコール「官」ではない時代を迎え、どう対応すればいいのかについて、市民が参加する新しい公共の立場から、行政事務事業を見直す作業に着手していただきたい、ということを述べまして討論といたします。